オーダースーツ札幌



HARRIS TWEED
Made in SCOTLAND

 


「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」2016




Atlantic Blue TWEED ULSTER OVERCOAT







ALTERNATE LAPELS OF VELVET AND TWEED
DUGDALE BROS& Co
COTTON VEVET COLLECTION






Contributor Mr. Ohta

 

Q1,
この度のオーバーコートご相談では、ご自身がお好きな映画作品からのモチーフでした。当初メールで具体的なイメージや仕様のご希望がございましたね。(素朴なツイード生地、お色は明るめのブルー、デザインはシングルのアルスター衿、上側はベルベットをあしらう、背面ボックスプリーツ…等)実際にミーティングをかさねた後ご注文頂きました内容は、はじめのご希望と一つ大きな変化が見られました。
(シングルではなくダブルブレステッド)
そのあたりの経緯や、仕立て上がりをお召しになっての印象はいかがでしたか?

A1,
オフの時間に悠々と着られるオーバーコートが欲しい……そう思うなか目に入ったのが、今回お願いしたポロコートのモチーフとなる映画「FantasticBeasts and Where to FindThem」
主人公が着る膝丈のコートが出発点です。彼は一風変わった英国人で、このコートも設定を強調するため(緑がかった明るい青である点を除けば)堂々英国らしい様式となっています。
こんなコートが欲しかったんだ! ぼくはノーザンテイラーに駆け込んだわけです。
まずメールをした時には、絶対にこの色、前合わせはシングルで襟は大きく…と細かな注文が付き「まくって」いました。ですが、お会いして、できる限り最善を尽くし顧客の要望をかたちにしたいという町屋さんの思いがひしと伝わってきたのです。この時点でぼくの希望の①Sブレストか②アルスター襟かのどちらかは切り捨てることになりましたが、この人にお願いするのが最善の結果になる、そんな予感があり町屋さんに決めた訳でした。
その後、見本として町屋さんのWブレスト・ポロコートを着せていただいたのですが、これが気に入り、Sブレストの希望は諦めることに。続いて採寸をしていただきました。町屋さんは「優美に」という表現を使われますが、これが良かったのでしょう、素晴らしい仕上がりになりました。というのは、まず肩周りのフィット感がとても良いことです。肩が落ちないのは当然ですが、きちんと体の動きについてきます。そして、肩の掴みが良いのと、背中のボックスプリーツに程よいハリがあるからか、前を開けて着てもそれほどダラリと下がってみっともなく不自然にならないことです。Sブレストにこだわっていたのは、脱ぎ着がしやすいことと、前を開けて動いたり風が吹いたりすると前裾が飜(ひるがえ)ってかっこいいという理由でした。結果的にWブレストでこれを叶えることができ、非常に嬉しいことでした。
ところで、嬉しい誤算もありました。Wブレストのボリュームを活かしてフロントを革包みのボタンにしたのですが、このおかげで少し可愛らしい印象が出たように思います。コートの上襟をベルベットの生地にしてあることもあり、ともすると格調高さが出過ぎてしまうところでしたが、結果として着やすいコートを作っていただくことができました。

 



 

 








GENTLEMAN WHO VISIT THE HISTORICAL GUEST HOUSE RESTORED in SAPPORO.














 

Q2,
シャツのデザインにも、太田様らしい審美眼とお人柄が反映されますと幸いです。この度は「スタンドカラー」でのご注文でした。
休日にネクタイをしないジャケットスタイルやオッドベスト、といった雰囲気のある着まわしが発展しますね。
一方で「衿の折り返しがない分、量感が異なる」ことにより、衿の高低、芯地との相性が印象を大きく左右します。そのあたりのバランス、各所フィットも含めてのご感想はいかがでしたか?

A2,
一言でいうと、「良い」一着だなぁと思います。
考えてみると、「衿の高低、芯地との相性が印象を大きく左右します。」という言葉にすべてが詰まっているのかもしれません。
どう良いのかについてですが、まず見栄えがするということ。首まわり、肩まわり、胴まわりがあっていると三拍子揃っているので、シャツだけでも、体にフィットしたカッチリ感が出ますから重ね着のしにくい夏に大助かりです。また、スタンドカラーという少し目を引く襟の形にしていることもあり、これだけで服装に締まりを与えるワンポイントとなりました。
そして着回しがかなり効くこと。ぼくはいろいろと盛り込みたがる性質で、このあたりがお願いするときに不安になり町屋さんと相談した点でした。今回も例に漏れず、ボタンは一部違う色にするだの、胴絞りのカットを変わった形にしたいだのとコートに続いて言いたい放題で、喩えるならスタンドカラーは覇道、そこにクレリック(白襟)という変化をかけあわせており、奇を衒いすぎると転覆しかねないところでした。持っている他の服との相性次第では着る機会を逸する旨相談すると、ではこのくらいのバランスで。と言外に抑制をかけていただき、傾き者の服装にならずに済みました。実際に着合わせてみると、薄いグレースーツ、または茶色のオッドベスト一枚から、紺のジーンズのようなカジュアルな装いにまでよく合っており、汎用性は抜群と言えると思います。
フィット感についてですが、全然不満がありません。首回りは当然ぴったりで、首が詰められている感じもありません。特に気に入っているのは胴回りのフィット感ですね。シャツをズボンに入れるとズボンの上で余ってグチャグチャになりがちですが、ここがすらっとしているのでダボつかず、着ていて気分が良いです。
悪いところを敢えて言うならケアが大変なことでしょうか。襟を白色にしたので内側の汚れが透け兼ねません。芯もかなり薄く柔らかいものを使っていただいたようで、アイロンを失敗して折らないかヒヤヒヤです。この辺りはおしゃれを追求するうえでの割り切りどころです。その分、実家で着て父に見せると(父はぼくの服のセンスは理解できないところが多いと言いますが)、欲しいと言わせるくらい羨ましがられる「良い」一着になりました。

 




Ringhart Fabrics London
Special Stand Collar Shirt,
thinked up with Mr.Ohta

 








関連記事として〜2013

http://northern-t.jugem.jp/?eid=49




編集後記として~


映画との出会いから生まれた着想、知り合えたご縁を、筋道立てて語ってくださった内容は瑞々しく、流れるような構成でした。ユーモアを交えながらの表現には朗らかさが、着心地を具体的に語ってくださる点では冷静な分析眼が伺い知れます。私自身も映画「ファンタスティックビースト」を鑑賞したうえで、デザインの特徴を把握し、魅力ある世界観をご注文にどう反映させようかが悩みであり、望外の喜びでした。
年越しにかけてのミーティングでは、大変お忙しい中仕事帰りにお立ち寄りくださり、深夜にまで及びましたね。お客様ご自身がそれだけエネルギーを傾けてくださったことが、オーバーコートやシャツの完成度を決定付けたことは、まぎれもない事実です。私は幸運にも共同制作として寄り添わせて頂けたまで。
これからも実社会のメインストリームを航海され、やがては太田様のロマンが旗印のゼネラリストになってください。
当方はいつだってアウトサイダーですが(^^;;、ご寄港を心待ちにしております。

 

 




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